【2007年10月12日(金)-①】
石飛仁&東京東アジア文化交流会の面々で、神話の国、出雲。
さらにその奥部への旅に出る。
(2007年10月12日(金)~10月14日(日)/2泊3日)
今回は、諸国を開拓した
素盞嗚尊(須佐之男命・スサノオノミコト)が暮らしたとされる
島根県雲南市三刀屋町を中心とする地域を巡る旅がテーマである。
ボクとしては、
2005年に続く2回目の旅になる。
しかし、「神話の国、出雲」って・・・。これ以外に、この地をくくるキャッチはないのか。
それに、神話って、すごくわかりにくいんだよ。
西暦を基準に考えるとして、2000年も経っているのに、この国の出自は、神話のヴェールにかくされて、ちっとも親しみがわかないのさ。
かつまた、明治以後の、大和朝廷=皇国史観にもさまたげられて、出雲の歴史の実相は、この前の旅から2年経っても、ちっともボクにはリアルに照り映えてこないんだ。
問題だな~。
8時20分のJALに搭乗。出雲空港に着くと暑かった。
空港からレンタカー会社の送迎車に乗って営業所へ。ここでレンタカーを借りて、
島根県立古代出雲歴史博物館に直行。
この博物館のスゴいところは、<県立>であり、<古代出雲>にテーマを特化しているところである。
館内の女性スタッフの制服が気になり、ご本人の許可を得て撮影。
右の写真は、ツアーメンバーの堀田さん(今回、ドライバー兼務)。
弥生人を思わせるデザインの制服。
ベルトの模様も古代を偲ばせる。
聞けば、プロの服飾デザイナーに依頼したのではなく、職員で考えたデザインとのことだ。
応接室ではすでに、当館の名誉館長であり、京都大学名誉教授である上田正昭教授(80歳)と石飛さんとの対談が始まっていた。
この日、上田名誉教授のお話で印象的だったのは、この館の展示物の最大の目玉である
荒神谷遺跡から発掘された358本の銅剣の展示を、館としては、当初、保存の観点から1/3程度で考えていたのを、
「アホなこというな。全部出せ」
といって、全部展示をさせたというエピソードだ。
小役人は、自分の仕事を減らすために縮小案を考える。
しかし、大衆は全部を見たいのだ。
ケチケチせんと、全部見せたらんかい!!という上田名誉教授の気概は、大衆の側に立った発言なのである。
いいぞ!! おじいちゃん!!
実際、この館の展示物の白眉は、この358本の銅剣(1984年8月発見)で、これ以外の展示物はなくてもぜ~んぜんかまわない、といっても過言ではない。
本物の持つ圧倒的な歴史的証言力を見よ!!
事実を前に、理屈や説明がいかに無力であるかが実によくわかる展示なのよ。
展示方法が功を奏してか、この銅剣の展示は、包丁のショールームのディスプレイみたいで、ものすご~く楽しかったんだ。
(館内は撮影禁止なので、写真がアップ出来なくて残念だ)