アラバスター1970/12/21-1971/06/28 「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)連載)。
連載当時の記憶はない。この作品があることは、ずっと後になって気づいたんだ。
↑アラバスター(ジェームズ・ブロック)
作者によれば、
『アラバスター』は江戸川乱歩の『一寸法師』とか『陰獣』などのようなグロテスクで淫靡なロマンを描こうと思って始めました。
しかしぼくの仕事の調子のよくないときにぶつかってしまい、ロックやゲンなど、およそぼくがいちばんにがてで書きたくない人物を出した、どうも徹底的に救われないニヒルなくらい作品になってしまいました。
ということなのだ。
ボクはどうしてこの作品が手塚治虫の作品の中で一番好きなんだろう。
たぶん、最悪の仕事コンディションの中で仕上げたために手塚の一番シリアスでダークな一面が出た作品と思われ、そこがボクの琴線に触れるのだろうな。
この暗さは、同年代の三島由紀夫が持ってる同じ暗さと通じるんだな。
10年位前に秋田文庫①②でそろえたんだけど、この間中野まんだらけで少年チャンピオンコミックスで①を見つけて買った後、地元のブックオフで②を見つけたので速攻で購入。
これで文庫版・コミックス版の両方を制覇したと思って慢心していたところ、阿佐ヶ谷のブックギルドでコミックス版が①②③そろいで1,500円(税別)売られているぢゃないの!!
なんだよ、コミックス版は③まであんのかよ。まあいいけど。
ちなみに、 アラバスター(alabaster)とは、日本語訳では「雪花石膏(せっかせっこう)」といい石膏の一種とのことである。古くから彫刻の材料などに使われていて、古代エジプトの彫刻でも使われているし、マリアがキリストの足に注いだ油が入っていたのもアラバスター製だったという。そのアラバスターの特徴は、白く、きめこまかいというところであるとのこと。
この後、阿佐ヶ谷のもう一軒の古本屋に移動して、一ヶ月以上前に店頭で見た「御用牙」(神田たけ志+小池一夫/コンビ二版のリイシュー)が全巻揃って3,000円(税別)がまだあるかどうか見に行ったら、あたりまえだろうけど、もうなくなっていたな。
「見たら買え!!」が鉄則なんだけど、見た時は3,000円の出費は痛かったのさ。