50という数字。----- 50歳、50周年、そして1950年代考。

 来年の3月で生誕50周年を迎える。
 生きてみてよかったな、と思うのは、過ぎてみれば50年なんてあっという間で、しかもこれくらい生きてみると、自分の生きている時間がいよいよ「歴史的時間」の中に組み込まれているんだな、ということに気づくのだ。

■おもしろブック連載「ワンダーくん」。1954年8月号。
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 たとえば、1904年に開始された日露戦争から、ちょうど50年目で、日本のマンガは手塚治虫の力によって、ここまでのレヴェルにまで達したのである。
 帝国主義は、1900年代にあっては<近代化>の世界標準であり、<近代化>とはまさに戦争そのものである。
 この描線が指向するのは、まぎれもまく、アジアの中で最も早く<近代化>されたこの国のカルチャーの水準の高さであるといえる。戦争がなければ、手塚治虫の描線が、ここまでの水準に達したかどうか。そう考えると、歴史というものは皮肉なものであるね。

 絵を描いたことがある人なら、この小さなコマの中に、驚くほどの情報量が、きわめてシンプルなフォルムで、しかも<省略>という手法によってダウンロードされていることに気づくだろう。

 当時、中国、韓国をはじめとしたアジアのイラストレーションで、ここまでの水準に達した絵描きもいなければ、国もなかったのではないだろうか。

 これは、マンガというよりは、むしろイラストレーションの水準である。
 1950年代の手塚治虫の描線は、ひとつのピークを示していたといえるだろう。

 これに続く「劇画屋」が、この手塚の描線を凶暴に踏み越えていくのである。

d0002395_23545816.jpg ところで、1957年2月から1958年1月まで雑誌「旅」に連載された、松本清張の「点と線」は、書かれてから今年で50年を迎える。
 この50年前の作品の中で登場した脇役の50歳の女性は、作者に老婢(ろうひ)とも老婆(ろうば)とも書かれている。
 また、35、6歳の男性は「中年」とも書かれているのである。
 50年前の50歳の女性は、いかに老けさせられていたことか。
 自分が50歳になってみると、同い年の同級生のいま女性は、ぜんぜん現役だってことがわかるのさ。
 そして、奇しくも、テレビ朝日開局<50周年>記念ドラマスペシャル「点と線」が、来週オン・エアされるのだ。

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 PS.50代の女性に向けて2007年10月20日に創刊された「月刊 クロワッサン Premium」。
 美しい50代の女性は、いる。
by mimiokun3 | 2007-11-18 23:30 | まんが道


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